私が小さい頃
母親は
ケーキやクッキー
マドレーヌやシュークリーム
などを、よく作っていた

もちろん、まだ
自動あわだて器などない時代

生クリームを泡立てる

かっ、かっ、かっ、かっ、

という音が聞こえてくると
私は急いで母親の隣りに
スタンバイする

液体だった生クリームが
つのがたつような固さになったら
できあがり

昔の生クリームは
今の生クリームとちがって
ちょっと黄色っぽかったな

先にギザギザの金具がついた
ビニールの絞り出し器に
ボールの生クリームを
すべて移し終えたら

あとは
シュークリームやケーキに
デコレーションしていくだけ

私がねらっていたのは
泡立て器や
ボールやへらや
絞りだし器に

残った生クリーム

まず
泡立て器に残った生クリーム

ボールにカンカン、とあてて
生クリームを落としたが

まだ、多少泡立て器に残っている

その残った生クリームを

なめるんである

泡立て器を直接なめて
残った生クリームを
こそげとるんである

ああ
何十年たっても
舌が泡立て器のワイヤーにあたる感じ

あの舐めにくい感じ
思い出すわ
( ´-｀)

つぎは
へらですくいとったあとのボウル
これは生クリーム残存率が高かった

まずゴムのへら。
お菓子を作るときにしか
活躍しないへら

ああ、
へらの
持ち手のとこが薄いピンクで
へらのゴム部分も
だいぶんくたびれてたこと

思い出す。
思い出すわ。

へらでボールに残った生クリームを
丁寧に慎重に集めると
結構な量になります

その生クリームを
へらでこそげとり
至福のべろべろ
( ´ー`)

最後は
デコレーション作業を終えた
絞り器

これには
もう生クリームがたくさん残っててね
お宝でした

ギザギザの金属の
絞りだし器に口をつけて

吸い込む吸い込む吸い込む

しぼしぼになったビニールから
甘い香りと
甘い生クリームが
口いっぱいにひろがってね

( ´ー`)

手でビニールをぐるぐる巻きにして
生クリームを
最後のひとしぼりまで
吸いつくして
ようやく絞り口から
口をはなす
( ´ー`)

( ´ー`)

もちろん
できたてのシュークリームやケーキも
おいしかったけど

あの
残りの生クリームを
なめとる感じ

ほんとに
おいしくて
うれしかったな

甘いもの、イコール、幸せ

の原点は
ここにあるのかもしれない

で、今現在

私が
パンを作ったり
お菓子を焼いたり
するかというと、

一切やりません
一切作らない
作ろうとも思わない
作りたくもない

なぜか

ひとに作ってもらったもののほうが
自分で作ったものより

1000倍

おいしいから

( ￣ー￣)ﾉ

ローソンおかあさん
シャトレーゼおかあさん

一生ついていきます。

これからもよろしくネ

ちもこより